気がつけば今日の分も入れて全6回の長編になってしまったこの「情景モデルにはまってしまいました。」シリーズですが、「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」と来まして今日は番外編と言いましょうか「アッガイの足湯編」まで来ました。
前回、アッガイが乗っているベースだけが貧弱な状態で気になった方もいらっしゃるんじゃないかと思いますが、安心してください、水陸両用モビルスーツであるアッガイにふさわしい情景モデルを作成してあるんです。
水陸両用ということは水の中でもへっちゃらなんです。実際はモビルスーツ自体は宇宙(ソラ)での運用を条件に開発されたものなので、コックピットその他の機密性はしっかりしており、水中での運用もある程度可能ではあるのですが、水陸両用モビルスーツであるアッガイやズゴックなどに比べると心配はあるのです。いわば一般的生活防水の腕時計と10気圧防水のダイバーズウォッチぐらい差があるのです。
かなり激しく水中での活動ができるアッガイにはどんな情景がいいか、また、これまで作成した情景とどう融和させるか、また、既存のアクションベースとの親和性。その辺りをしっかりと考慮に入れ作成していきたいと思いました。
そして、結論に至ったのが岩場にできた水たまりです。水中から陸までを活動範囲とするアッガイには最適な情景となるはずです。
そして、水の表現というのは情景モデルの表現技術の中でも一二を争う難易度であり、情景モデルにはまった者は一度は通らねばならない道でもあり、まさに沼なのです。
そんな事が情景モデルを始めて日の浅いヤツにできる物かとご心配の方もおられると思いますが、そこは21世紀に生きる身としてインターネッツという最強の情報収集手段をフル活用して教材を揃える事が出来るのです。
まず、探したのが水面の表現にはどのような材料を使ったらいいのかということです。透明な水面を表現するための材料があるだろうと思い探しました。すると、意外な事にこれまでも使ってきた木工用ボンドを水面の表現に使っている事例をいくつか見つけたので、ボクも試してみる事にしました。
結果は、ボクとしてはあまり満足のいくものではなく、写真すら撮りませんでしたが、あれは水ではないですね。というのも完全に乾燥した状態でも透明にはなりきらず、若干白濁したような状態になってしまうのと、乾燥後の縮みというか、引けが大きいようで水の揺らぎの表現があまり強調されない仕上がりになってしまいました。
これじゃいかんと思い、さらにインターネッツの海をサーフィンしていきますと、一部のデザイン業界の方の活用法で話題となったピンタレストに大変素晴らしい資料が大量にあるというところに行き当たりました。
いくつかご紹介したいと思います。
どうですか、もう、水しぶきが飛んできそうなぐらいバシャバシャと水が爆ぜている情景でしょ?これ全部模型なんです。ボクにもこんな素晴らしい水面の表現ができるか不安と期待が入り乱れながら、この技術をどうにか手に入れたいとまた、インターネッツの海を彷徨います。
まずは水面の表現に使う材料を探します。木工用ボンドでは透明感が今ひとつ出せなかったので、何かいい材料があるはずだと方々探してみると、アクリル絵具で素晴らしいものがありました。
このメディウムという材料が透明感や加工のしやすさから水面の表現に最適だとのことです。
札幌では大丸藤井セントラルで買うことができました。それでは早速、作成に入りたいと思います。
まずはアッガイを立たせるためのスペース作りです。実際に水を満たすわけではないですが、水槽のような状態で水中を覗けるようにプラ板で箱組みをします。そして、アッガイが立つ位置に印をつけておきます。
はい、どーん!!
例によって制作過程の写真を撮っていません。すみません。
さっきのプラ板の箱の底の部分に砂を敷き詰め、メディウムとブレンデットファイバーで水面表現をした透明プラ板で蓋をかぶせました。
クリックするとスライドショーが開きます。
水面の制作過程を説明しますと、まず、透明プラバンにアッガイの足型を書き込み足を入れる穴を開けておきます。そして、プラ板の表面全体にジェルメディウムを塗っていくのですが、ただ普通に塗っただけでは水面を作ることはできません。この水面の作り方も21世紀インターネッツを駆使して探したところ素晴らしい動画を見つけました。
英語なので何言ってるかさっぱりわからなかったのですが、手元の動きを見ていると何となく伝わりましたので真似することができました。要はムラを作ればいいわけです。直感的に見た目で凸凹にしていけばいいという事と、メディウムはその凸凹をしっかりとキープしてくれる硬さがあるのでとても扱いやすい材料でした。
メディウムでは少し盛り上がりの足りないところや、水が沸き立つように盛り上がって泡立ち、白くしたいところにはブレンデッドファイバーを盛り付けました。
そして、いよいよ、これまで作成してきた情景モデルとご対面です。
いい!自己満足が過ぎますが、本当、苦労して作った甲斐がありました。制作過程で様々なことを学べたし本当に楽しかった。
ボクの書いたこのブログで情景モデルの楽しさが皆さんに少し伝わればいいかと思います。いや、まあ、正直そんなに伝わればいいなんて思ってないけど、ブログの締めとしてそう書いといた方がいいよとボクの内なるガイアが囁くので。
べ、別にあんたのために書いたんじゃないんだからね!!///_///
ご静聴ありがとうございました。